さんこう丸の健康豆知識
第3回 検査値の見方その①
私たちは、健康診断を受けた後に結果報告を受け取ります。そこには、私たちの体が今どのような 状態にあるかが「検査値データ」という形で示されていますが、医療の専門家ではない私たちにとって、それらの意味を正確に理解することは簡単ではありません。そこで今回からは、いろいろな検査値の 見方について詳しくご紹介していきたいと思います。なお、正常値の範囲は検査機関によってばらつきが あるため、今回は「日本医師会」のホームページにおける数値を参考にしています。 (日本医師会 健康の森:http://www.med.or.jp/forest/)
※さまざまな検査値とその見方
多くの健康な人について検査した場合、そのうち95%の人が示すある一定範囲内の値を正常値(基準値)
といいます。けれども、これからご紹介する基準範囲または正常値は、あくまで診断の目安となるもので
正常範囲外にあっても、健康な場合がありますし、逆に正常範囲内の値であっても、その人の健康な
ときの値と比較すると病的と判定される場合もあり得ます。
健康診断を受けて異常値が出た場合には、自己診断をしないでまずは病院で診てもらうことが大切です。
①血圧 正常値:「収縮期血圧」=130mmHg未満 かつ 「拡張期血圧」=85mmHg未満
(ただし、血圧は日によって、また時間によっても変動するので、何回か計ることが必要です)
上記の単位mmHgは「ミリメートルエイチジー」と読みます。
心臓から送り出された血液は動脈を介して全身に行き渡ります。血圧とは動脈内を流れる血液のことで、
心臓が血液を送り出すために最大限に収縮したときの血圧を収縮期血圧(最大血圧)、次の収縮に備えて最大限に拡張したときの血圧を拡張期血圧(最小血圧)といいます。
私たちはよく、「血圧は上が120で下が75」などと言いますが、この場合、「上」は収縮期血圧で「下」は拡張期血圧を意味しています。
収縮期血圧が常に140mmHg以上か、または拡張期血圧が90mmHg以上の場合は高血圧と診断されます。低血圧には高血圧のような国際的基準はありませんが、一般には収縮期血圧が100~110mmHgを低血圧といい、80 mmHg以下になると「めまい、頭痛、倦怠感、寝起きの悪さ、吐き気、下痢、便秘、動機、息切れ、発汗」など低血圧特有の症状が出やすくなるといわれます。
年齢を重ねるにつれて動脈は次第に弾力を失い、心臓が押し出した血圧をためこむ能力が低下していく
ため、収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧は下降することになります。いわゆる動脈硬化とよばれる状態で、収縮期血圧と拡張期血圧との差(脈圧)が大きくなっていきます。「上の血圧と下の血圧の差が大きい」というのはこのことですが、比較的若い方で脈圧の増加が見られる場合は、何らかの原因で動脈硬化が進んでいるか、または他の心臓病(心血管疾患)の可能性があるので注意が必要です。
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