さんこう丸の健康豆知識 | 株式会社三光丸

さんこう丸の健康豆知識

2021年 12月1日

『銅』は体内に約80mg存在し、その約50%が骨や筋肉に、約10%が肝臓に存在します。約10 種類の酵素の活性中心に結合してエネルギー生成や鉄の代謝を行い、貧血を予防する効果があります。他にも髪や皮膚にあるメラニンの生成にも関与し、殺菌・抗菌作用があることでも知られています。
通常の食事によって銅不足になることはほとんどありませんが、先天的な銅代謝異常を示すメンケス病や銅の量が少な人工栄養で育てられている未熟児、消化管手術後をした人、銅を添加していない高カロリー輸液を長期間投与している場合などは銅が不足する事があります。
銅が不足すると、鉄が十分に足りていても赤血球で酸素を運ぶ役割をするヘモグロビンを合成できず、ヘモグロビンの量が減少し貧血が起こります。また、骨がもろくなる、髪や皮膚の色が薄くなる、白血球が減少する、子どもの発達遅延が起こるといった症状があります。
また遺伝的に銅の吸収を行う働きに異常があり、銅が吸収できないために不足するメンケス病という銅の欠乏症もあります。
過剰摂取はほとんどありませんが、先天的遺伝病にウィルソン病があります。ウィルソン病では銅が過剰に蓄積され銅の排泄過程が滞り、重度の肝障害や中枢神経障害を起こします。

【参考】
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書, 300-302, 337
文部科学省「食品成分データベース」 https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
公益財団法人長寿科学振興財団「ミネラル成分の銅の働きと1日の摂取量」
難病指定センター「メンケス病(指定難病169)」

          

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