さんこう丸の健康豆知識
ビタミンK
ビタミンK=フィロキノン、メナキノン
脂溶性ビタミンである『ビタミンK』は血液凝固因子の活性化、骨形成などの働きがあり、緑黄色野菜や納豆に多く含まれる他、体内の腸内細菌によっても作られます。皆さんの中に、あるいは周りの人で血液をサラサラにする薬“ワーファリン”を服用している人はいるでしょうか?この薬を服用するにあたり、「納豆、青汁などは避けて下さい」と言われますが、これらの食品が悪いわけではありません。ビタミンKが多く含まれている為、血栓予防作用が弱まってしまうからです。また、長期間の抗生物質の投与、肝・胆管疾患、脂肪吸収不全などではビタミンK欠乏が起こりやすいので注意が必要です。ビタミンKは骨代謝にも深く関係している為、骨粗鬆症の薬でビタミンK剤を服用している人もいます。年齢を重ねて循環器系疾患と骨密度の指摘があったという人は少なくないでしょう。必ず医師、薬剤師にどんな薬を服用しているかを伝えましょう。ビタミンKは健康な成人ではほとんど不足しませんが、母乳栄養の乳児、ワーファリン服用者、抗生物質を長期服用する事で腸内細菌が減少した場合などに不足します。ビタミンKの欠乏症が明確に認められるのは血液凝固の遅延です。しかし、骨粗鬆症のリスクも忘れてはいけません。
【薬】骨粗鬆症の治療薬メナキノンは45 mg/日の用量で処方されていますが、これまでに安全性に問題はないことが証明されています。
[参考]
厚生労働省, 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書, 180-183, 193.
文部科学省, 食品成分データベース. https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所, 話題の食品成分の科学情報,https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail17.html
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