さんこう丸の健康豆知識
亜鉛
『亜鉛』は、細胞の生まれ変わりが盛んな部位で必要不可欠な栄養素です。亜鉛の大部分は骨格筋、骨に存在し、他には皮膚、肝臓、脳、腎臓などに幅広く分布しています。体内には、約2, 000 mg 存在し、代謝調整作用のある酵素などの構成成分として、生理機能に重要な役割を果たしています。
亜鉛は、普通に食事をしていれば不足する心配はありませんが、亜鉛不足が続くと、低アルブミン血症、汎血球減少、成長障害、性腺発育障害などが起こります。有名な亜鉛不足としては、味覚障害があります。これは味を感じ取る味蕾の細胞を新しく作り出す事が出来ずに起こる症状です。また薬の副作用で、体内の亜鉛の利用が阻害され、味覚障害を起こす事例も報告されています。その他に男性の場合は、精子数の減少などの性機能低下が起こることがあり、女性の場合は、妊娠中に亜鉛が不足すると胎児の成長不良を引き起こす危険があります。
亜鉛は魚介類に多く含まれ、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ると吸収しやすく、過度のカルシウムや食物繊維は亜鉛の吸収を阻害します。
毒性は極めて低いと考えられていますが、多量の亜鉛を継続的に摂取することで銅や鉄の吸収阻害による銅欠乏や鉄欠乏、抗酸化酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)酵素の活性低下、貧血、胃の不快感などが生じる場合があります。また、薬などによる急性亜鉛中毒では、めまい、吐き気、胃障害、腎機能障害、神経症が起こります。
【参考】
厚生労働省, 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書, 296-299, 336.
文部科学省, 食品成分データベース. https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
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