さんこう丸の健康豆知識
マンガン
『マンガン』は、成人の体内に12~20 mg 存在し、体内に広く分布しています。体内では多くの酵素の構成成分や活性化成分として、抗酸化や糖質・脂質・タンパク質の代謝に関わっています。またカルシウム、リンとともに、骨の形成にも関与しています。通常の食生活でマンガンが不足することはありませんが、実験動物のマンガン欠乏症として骨の異常、成長障害、妊娠障害などが確認されました。安全性については、適切に経口摂取すれば安全ですが、厳密な菜食など特異な食事形態、及びサプリメントの不適切な利用に伴い過剰摂取が生じます。マンガンが脳に蓄積することでパーキンソン病を中心とした中枢神経系障害を引き起こしたという報告があります。
耐容上限量は男女共11mg/日で、妊娠中や授乳中の目安量は3.5mg/日となっています。
マンガンは吸収率が低く、大半が糞中に排泄されます。また鉄との相性はあまり良くありません。マンガンは鉄と同じ様な経路で輸送されるため、マンガン吸収量は食事中の鉄含有量と反比例します。通常の食品の範囲内でのマンガン摂取量の増減が生活習慣病の発症予防及び重症化予防に関連するという報告は見当たりません。
【参考】
厚生労働省, 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書, 303-305, 338.https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114399.pdf
文部科学省, 食品成分データベース. https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
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