さんこう丸の健康豆知識
2022年
4月1日
クロム
『クロム』は年齢とともに体内の含量が減少する唯一のミネラルで、糖質や脂質の代謝、たんぱく質代謝やインスリン作用の増強などに関与しています。
自然界に存在するクロムは通常3価クロムです。6価クロムは酸化力が強く、毒性が高いです。
食品中に存在するクロムのほとんどは3価クロムです。6価クロムは人為的に作成され、クロムメッキ工場等で中毒が発生した事例がありました。海藻類に多く含まれ、通常の食事で不足することはありません。
クロムをサプリメント等で長期間過剰摂取すると、嘔吐、下痢、腹痛、腎尿細管障害、肝障害、造血障害、中枢神経障害が起こる可能性があります。
クロムを全く含まない完全静脈栄養や、高カロリー輸液の施行によりクロムが不足すると、インスリン感受性の低下、窒素代謝異常、体重減少、末梢神経障害、昏迷、角膜障害などが起こります。
ちなみに、鉄に11%以上のクロムを含む合金が、皆さんご存知「ステンレス」となります。
【参考】
厚生労働省, 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書, 315-317, 341.
文部科学省, 食品成分データベース. https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
食と健康の総合サイト e840.net, クロムの栄養と働き、消化、吸収、カルシウムが多い食品
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