オウバクの産地を見学してきました
2015年
8月11日
7月24日(金)、兵庫県のオウバク産地へ行き、オウバク採取の様子を見学してきました。
生薬オウバクは、ミカン科のキハダという樹木の内皮で、三光丸の原料となる生薬のひとつです。
オウバクは、古くから修験道の行者たちの常備薬として用いられ、奈良県(大峰山=おおみねさん)の陀羅尼助(ダラニスケ)、長野県(御嶽山=おんたけさん)の百草丸(ひゃくそうがん)、鳥取県(大山=だいせん)の煉熊(ねりぐま)など、修験道の聖地を中心にオウバク製剤が作られています。
キハダは梅雨が明けた頃が最も水分を多く含み、鬼皮(おにがわ)と内皮(ないひ)が剥がれやすいため、オウバクの採取もその頃に行われます。
黄色い内皮を乾燥したものが生薬オウバクで、有効成分ベルベリンには、病原性大腸菌、赤痢菌などに対する抗菌作用のほか、整腸、止瀉(ししゃ=下痢止め)などのはたらきがあります。
キハダ(黄肌)という名が示すように、内皮は鮮やかで美しい黄色を呈しており、昔から黄色の染料としても用いられてきました。キハダの芯材は軽量でやわらかいため、材木としては使わないとのことでしたが、家具材として用いられることもあるようです。
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