「病は胃から!」胃の健康が、全身の健康につながる?
漢方・和漢薬で胃を元気に保とう

「病は気から」という言葉がありますが、中医学(中国の伝統医学)では、「病は胃から」とも言われるのをご存じでしょうか?
漢方・和漢薬の世界では、胃は“体の中心”ともいえる大切な臓器。
今回は、胃の健康と全身の関係、そして三光丸をはじめとする和漢薬がどのように胃をサポートしてくれるのかをご紹介します。
「心」と「胃」のつながり
昔から、「腹を立てる」「肚を決める」「腹の虫が治まらない」など、感情の変化をお腹で表す言葉が多くあります。
これは、「心」と「胃」が密接に関わっていることを昔の人が経験的に知っていた証拠です。
中医学(中国の伝統医学)でも、胃は脳と同じように「考える臓器」とされています。
思い悩んだり、考えすぎたりすると「気(き)」の流れが滞り、胃の働きが乱れ、眠れなくなることもあります。
心と胃の関係は、自律神経によってつながりがあることが現代の医学でも証明されています。
胃腸が弱ると、どんな不調につながる?

胃の働きが弱ると、消化がうまくいかず、体の中に余分な「水」がたまってしまいます。
この状態を漢方では「水滞(すいたい)」と呼び、さまざまな症状を引き起こします。
【チェックリスト こんな症状がある人は胃の不調のサインかも!?】
☑不眠
☑口内炎
☑耳鳴り
☑肌荒れ
☑顔色が悪い
一見すると胃とは関係なさそうな不調も、胃腸の乱れが原因になっていることが少なくありません。
「最近、肌の調子が悪い」「眠れない」などの症状があるときは、胃をいたわるサインかもしれません。
胃腸が整うと、心も体も元気に
逆に、胃腸の調子が整うと、心と体にこんな良い変化が現れます。
☑消化が良くなり、頭がスッキリする
☑よく眠れるようになる
☑朝もすっと起きられる
☑体が軽く、疲れにくくなる
☑表情が明るく、気持ちが前向きに
漢方では、胃腸が整うことで「気・血・水」のバランスが改善し、若々しく元気な体につながると考えます。
漢方・和漢薬の視点から見た「胃を元気にする」アプローチ
胃を元気にするには、生活習慣を見直し、ストレスを減らすことが大事です。
☑くよくよしない
☑規則正しい生活(朝ごはんをしっかりと)
☑食べ過ぎ・飲みすぎに注意
☑ストレスをためない
特にストレスには要注意です。ストレスを感じると「ストレスホルモン」が分泌され、自律神経のバランスが崩れ、免疫力が低下します。
それが胃の働きを弱め、胃痛や腹痛の原因になるのです。
胃にストレスがかかったときは「センブリ」

ストレス性の胃痛におすすめの生薬が「センブリ」です。
センブリは三光丸の主成分のひとつで、日本でしか採れない貴重な植物です。
苦味の成分が胃の血流を促し、胃酸のバランスを整えてくれます。
特に、ストレスで胃がキリキリするようなときや、神経が高ぶって眠れないときには、寝る前に三光丸を服用するのもおすすめです。
副交感神経が優位になり、心身がリラックスしやすくなります。
秋は自律神経が乱れがち
秋は昼夜の寒暖差が激しく、体温調節がうまくいかなくなる季節です。
この時期は、頭痛や肩こり、胃痛といった不調が出やすく、自律神経の乱れも起こりやすくなります。
「最近、食欲がない」「胃が重い」と感じたら、季節の変わり目による自律神経の乱れが原因かもしれません。
そんなときも、三光丸のような和漢薬で、胃をいたわるケアを取り入れてみましょう。
先人たちの知恵が集結した三光丸の配合

三光丸には、センブリをはじめ、ケイヒ(シナモン)など4種類の生薬が配合されています。三光丸の配合には、700年の知恵が詰まっています。炎症を抑えるために、冷やす効果のあるセンブリに対し、体を温めるケイヒが配合されるなど、胃の健康を保つために、最適なバランスでつくられているのです。
【三光丸の主成分】
●センブリ:胃の炎症を抑え、過剰な胃酸を整える
●ケイヒ(シナモン):体を温め、冷えからくる胃の不調を防ぐ
●オウバク:病原菌に対する殺菌・抗菌作用があり、胃腸の炎症を抑える
●カンゾウ:粘膜を保護し、痛みをやわらげる
また、ケイヒ(シナモン)の香りにはリラックス効果があり、ストレスでこわばった胃を穏やかに整えてくれます。
胃に感謝しよう
私たちの胃は、食べたものを消化し、栄養を全身に届け、毎日休まず働いてくれています。それは大変な働きです。「胃を整えること」は、「心と体を整えること」。
規則正しい生活を送るのが一番ですが、それが難しいときには、漢方や和漢薬の力を借りましょう。
頑張っている胃をいたわりながら、忙しい日々を乗り切っていきましょう。
まとめ
「病は胃から」という言葉には、心と体を支える胃の大切さが込められています。
胃が元気だと、食べたものをしっかり消化でき、エネルギーが体中をめぐります。反対に、胃が疲れると、体も心も元気を失ってしまいます。
そんなときに頼りになるのが、自然の力を生かした漢方・和漢薬です。
三光丸をはじめとする和漢薬は、胃を中心に「気・血・水」のバランスを整え、乱れた自律神経やストレスによる不調をやさしくサポートしてくれます。
規則正しい食事、心の休息、そして漢方・和漢薬で、胃を元気に保っていきたいですね。

アドバイザープロフィール

浅見 潤(あさみ じゅん)
三光丸クスリ資料館館長
北海道出身。平成12年、三鷹市教育委員会で遺跡の発掘調査と研究に携わる。その後奈良県明日香村に移住し、三光丸クスリ資料館館長に就任。館長職のかたわら、大和売薬および中世大和国の歴史研究を行う。日本薬史学会会員。
著書:『奈良とくすり -祈りと治療の歴史-』(京阪奈情報教育出版、2024年7月)







