さんこう丸(まる)の健康豆知識
第1回 夏野菜
夏の暑さは、「食欲減退」「冷たいものや水分の過剰摂取による胃腸の機能低下、消化不良」「睡眠不足」「体温調節の狂い」などをひき起こし、夏バテの原因となります。食べ物もノドを通りやすい麺類が多くなり、栄養バランスも狂いがちに。そんなとき、積極的にとりたいのが夏野菜です。発汗で失われるミネラルやビタミンの補給、胃腸の機能回復や滋養強壮、余分な水分を排せつする利尿作用、さらには、以下のようなすぐれた効果が期待できます。
※ 恐ろしい活性酸素
最近よく耳にする「活性酸素」。活気があり、体によい印象を受けますが、本当はその反対で、体内を酸化させて老化の原因となる危険物質。病気の90%はこの活性酸素が関係しているといわれるほどです。「風邪は万病のもと」と言いますが、今や「活性酸素は万病のもと」といってもいいでしょう。
※ 多すぎる活性酵素は発ガン物質!
赤血球に運ばれた酸素は細胞の中に入り、食物から得られた栄養素を燃やしてエネルギーにかえますが、同時に副産物として酸化力の強い酸素も生じます。この酸素は攻撃的な性質を持つため「活性酸素」と呼ばれ、病原菌やウィルスを退治します。これは私たちにとって必要なはたらきですが、その一方、余分な活性酸素は人間の細胞まで攻撃し、大切なDNAを傷つけることでガンの原因ともなります。やっかいな夏の紫外線トラブルも、皮膚に生じた活性酸素が原因です。
※ 緑黄色野菜は活性酸素を抑えてくれる
そんな怖い「活性酸素」を抑制する力、すなわち抗酸化作用を持つのが「抗酸化物質」。実は、この抗酸化物質の代表といわれる「カロチン」や「ビタミンA」は緑黄色野菜にたっぷり含まれています。暑い夏は、トマトやカボチャなど、さまざまな“緑の葉の野菜”が旬(しゅん)を迎える季節でもあります。
一般に緑黄色野菜とは、ホウレン草・パセリ・シソ・ニンジン・トマトなど、可食部100gあたりカロチンを600μg(マイクログラム;1μgは1mgの1000分の1)以上含むものをいいます。緑黄色野菜は、カロチンやビタミンA,Cなど抗酸化物質が豊富で、老化防止やガン予防に効果が期待できます。ビタミンB群やカルシウム・鉄分・カリウム等のミネラルも多く、健康な生活を送るには野菜を1日350g、そのうち緑黄色野菜を120g摂取するのがよいでしょう。
※ 独特な色や風味、匂いにも野菜のパワーが
野菜パワーの秘密は色や風味、匂いにも隠されています。代表的なものがカロチノイドと呼ばれる赤・オレンジ・黄色などの色素で、抗酸化作用を示す成分です。トマトのリコピンやニンジンのβ–カロチン等が有名ですが、カロチノイドには600以上の種類があり、それぞれ性質や効用が異なります。さまざまな緑黄色野菜を食べることで効果も倍増するのです。あざやかな色や苦味の成分であるポリフェノール類も抗酸化物質で、 この仲間としてはブルーベリーや赤ワインなどのアントシアニンがよく知られています。
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