置き薬って知ってる?昔ながらの薬の販売スタイル | 三光丸がお届けする胃痛・腹痛と漢方に関するコラム

置き薬って知ってる?昔ながらの薬の販売スタイル

2026年 2月12日

手元に薬を置いておく仕組み


「置き薬(配置薬)」という言葉、聞いたことはありますか?
ドラッグストアやネット通販が当たり前になった今、若い世代や都会暮らしの方には、少しなじみが薄いかもしれません。

三光丸はオンラインでも購入できますが、基本はこの「置き薬(配置薬)」という販売スタイルを大切にしています。いざという時に手元にある安心感は、胃痛・腹痛・胃もたれなど、急な胃腸の不調が起こりやすい方にとって、心強い味方になってくれます。
 
 

そもそも「置き薬(配置薬)」ってどんな仕組み?


置き薬(配置薬)とは、販売員(配置員)が各家庭や職場に薬箱を置き、定期的に訪問して、使った分だけ後から料金をいただく 販売方法です。
「先に薬を使って、後でお支払い」という仕組みは「先用後利(せんようこうり)」とも呼ばれ、相互の信頼関係で成り立つ日本独特の商いだと紹介されています。
 

置き薬の仕組み

①まず配置員が薬箱を届ける

②必要なときに、必要な分だけ使う

③2〜3か月に1度の訪問で、使った分を精算し、不足分を補充する

④使うまで料金は発生せず、期限が近い未使用薬は無料交換してもらえる

海外の方がこの仕組みを知って、「そんなに人を信頼できるの?」と驚く、という話もあるそうです。確かにあらためて考えると「信頼」がベースにある日本ならではの文化ですよね。
 
 

置き薬はいつから? 富山と大和(奈良)から広まった説


置き薬(配置薬)は、三光丸の公式ページでも「越中国富山(えっちゅうのくにとやま)と大和国(やまとのくに)でほぼ時を同じくして始まり」と紹介されています。
奈良にある三光丸は、南北朝時代から薬作りが行われていましたが、置き薬による販売が本格化したのは江戸時代中期〜後期にかけてです。明治のころには、置き薬が全国でより盛んになっていったといわれます。

参考リンク:5分でわかる三光丸

 
 

置き薬と日本の暮らし “もしも”に備える安心

昔は、今のように病院や薬局に気軽に行ける環境が整っていませんでした。夜間の救急医療もなく、地方に行けばなおさらです。
そんな時代、置き薬は「もしものための備え」であり、暮らしの安心そのものでした。
急な発熱、咳、けが、そして胃腸の不調。体調の変化は待ってくれません。家に薬があるだけで、落ち着いて対処しやすくなります。
 
 

家庭で重宝された三光丸 胃痛・腹痛・胃もたれの「お守り」として


置き薬でよく置かれたのは、風邪薬やお腹の薬です。
胃痛、腹痛、胃もたれなどの胃腸トラブルは、年齢を問わず起こりやすいもの。だからこそ、家庭に常備できる胃腸薬は昔から重宝されてきました。
三光丸は、和漢薬(漢方の考え方を取り入れた日本の胃腸薬)として、家族で服用しやすい常備薬のひとつ。医者が少ない地域では特に大事にされ、「一家のお守り」のような存在だった、という話も伝わっています。
 
 

「薬売り」という仕事は、想像以上にハイスキル?

置き薬を支えてきたのが「薬売り(配置員)」という職業です。
明治維新で身分制度がなくなったころ、元武士の方が薬売りになる例も多かったそうです。薬の知識だけでなく、会計や地理、さらにはお客さまとの会話力も必要で、高い教養が必要でした。

また、明治〜昭和初期は今のような通信手段が少なく、旅ができる人も限られていました。旅先の話や街の情報を届けてくれる薬売りは、それだけでも貴重な存在です。訪問のたびに客間に招いて話を聞くためにもてなしたり、名づけ親や結婚式のスピーチを頼まれたり……地域の「頼れる人」として尊敬されていた、というエピソードも残っています。
 
 

置き薬のメリット・デメリット

現在でも置き薬を愛用する家庭や職場は少なくありません。ここでは、分かりやすく表にまとめます。

置き薬のメリット 置き薬のデメリット
薬を買いに行かなくていい(高齢の方や体調がすぐれない時に助かります) 希望の薬がない場合がある(一般用医薬品が中心で、処方薬・専門薬は基本含まれません)
専門的な研修を受講した配置員が健康アドバイスをしてくれる(都道府県知事の許可を受けた配置員が相談対応する仕組みがあります) 値引きがない(ドラッグストアのような大幅値引きは難しい)
薬の管理・補充を任せられる(期限が近い未使用薬は無料交換の仕組み) 定期訪問が負担に感じる場合がある(時間が合わない、対応が面倒と感じる人も)
災害時の備えとして役立つ (※災害時の備えに対応するデメリットはなし)

 
 

現代の“新しい置き薬の価値” 見守りとしての役割


少子高齢化が進む今、置き薬の価値があらためて見直されています。
定期的に家庭を訪問する仕組みは、自然と「安否確認」や「ゆるやかな見守り」にもつながります。
近所付き合いが少ない独居の高齢者など、見守りが必要な方やご家族にとって、定期的に顔を合わせる存在がいることは安心材料になります。取材によると、三光丸は奈良県明日香村と連携し、高齢者などの見守り協定にも参加しているそうです。
 
 

まとめ 「暮らしのすぐそば」にある安心を

置き薬(配置薬)は、薬箱を先に置き、使った分だけ後から精算する、日本ならではの信頼に根ざした販売スタイルです。
病院や薬局が今ほど身近でなかった時代、人々にとって置き薬は「もしも」の備えであり、安心そのものでした。

そして今も、胃痛・腹痛・胃もたれといった急な胃腸の不調に備えて、家に常備薬があると心強いものです。漢方の考え方を取り入れた和漢薬としての三光丸も、そんな「お守り」の一つとして、暮らしのそばで役立ってきました。

※胃痛や腹痛、胃もたれが強い・長引く・繰り返す場合や、発熱・嘔吐・血便などを伴う場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。

アドバイザープロフィール

浅見 潤(あさみ じゅん)

三光丸クスリ資料館館長

北海道出身。平成12年、三鷹市教育委員会で遺跡の発掘調査と研究に携わる。その後奈良県明日香村に移住し、三光丸クスリ資料館館長に就任。館長職のかたわら、大和売薬および中世大和国の歴史研究を行う。日本薬史学会会員。
著書:『奈良とくすり -祈りと治療の歴史-』(京阪奈情報教育出版、2024年7月)

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